取り壊し直前の旧フランス大使館へ。
2/18まで開催の解体前のフランス大使館旧庁舎で行われていた
日仏のアーティスト70人が参加するアートイベント『No Man’s Land』

先日のATF交換の待ち時間にちょうど良かったのでブラっと行ってきました。
(会期終了後の日記でごめんなさい)

私のお目当ては、どちらかと言うと展示物よりは旧フランス大使館の建築物。
(1957年にジョゼフ・ベルモンが設計)
旧フランス大使館の中に入れる最初で最後チャンスと聞いて!

ノーマンズランド、とは「所有者のいない土地」という意味とのこと。
隣に新庁舎が建って、ここはマンションになるらしい。
そのつなぎなので、ちゅうぶらりん、ってことかな。


b0028216_23592167.jpgゲート。

縁起物でもないが、ちょっとワクワクしてちゃんとくぐっちゃう。

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建物に入って割とすぐに、シトロ部屋がありました。

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シトロエンは、車体のデザインや機構のアバンギャルドさだけでなく、斬新な広告物のアートディレクションも有名ですが、DSの魔法の乗り心地をこれ以上解り易く表現した広告もないでしょうね。

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手にしっくり馴染む持ち手。突き板のドアもいい色になってました。
ガラス部分も手作りっぽくゆらゆらしてる、あの感じです。

解体する前に、ちゃんとドアとかはパーツ屋さんが引き取る算段なんだよね?!

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部屋の数はとても多く、また少しずつ間取りや造りに違いがあるのが良いところ。

素敵な中庭が見える部屋がほとんどで、ここが都心であることを忘れさせてくれる贅沢な造りでした。

鉄格子があるのは、外部からの侵入者を防ぐためなのでしょうか。

ここがマンションになっちゃったら窓から見えてるこの美しい木々はどうなるのか…心配になります。

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これがダブルシェブロンに見えてしまったアナタはシトロウィルス保菌者。

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展示は「どうせ壊す建物なんだから好きにしていいよと言われて美大生が学園祭で好き放題やっちゃった」という印象で、廊下、床、外壁、内壁、と所構わず「自己表現」の「アート」が百花繚乱でした。

「破壊の前の創造」という意義(意思)は感じますが、建築物自体が(時代遅れながらも)どこもかしこも機能美でピシャッとまとめられた秀逸な建築物(=デザイン)であるがゆえに、展示物(=アート)が何だか「必要のないもの」と感じてしまったのは否めません。
(そもそも「実用面などを考慮して造形作品を意匠する」デザインと、「芸術」を同じ目線で見てもしょうがないんだろうし、今回の私の目的が主に建築物だったから余計にそう見えたんだろうけど。)

旧フランス大使館を一般公開するという目的もあった訳ですから、
インスタレーションとしての魅せ方があったはずですが、
単に「自分の作品を飾る場所」になってしまっていたものが多くて残念でした。

壊されてしまう年代物の大使館という、
創造力をかき立てられる恰好のシチュエーションをひっくるめて、
意味深な仕事をしたら、それがアヴァンギャルドでもポップでも
ドキドキ出来たんじゃないかな…。

そんなことを思っていた矢先、ちょうど我が家の建築家、矢作昌生さんのblogの「デザインって何?」という記事が目に止まり、二度頷いてしまいました。

私は、この地球上に神様が創った素晴らしい自然を
より美しく魅せる、美しいモノやデザインを愛しています。

想い出した素晴らしい一例はコレかな。でも、ここまで壮大なのじゃなくても、
美しい夕陽が沈む海を背にmycarのシルエットなんか、最高にいいんだ(笑)。

by kazztomo | 2010-02-26 01:06 | モノ | Comments(15)
Commented by プル at 2010-02-26 06:51 x
自己主張って自分しか考えてないから、周りと融合できず浮いちゃうんだよねぇ。
そこにはセンスがあるのか?というと・・・。
エゴが鼻についっちゃうのよね。

解体されちゃう建物よりも、最新の展示が無意味に感じちゃいましたか・・・。
苦笑いしてしまうところですが、若い学生さんですもの。
機能美とかの悟り?を感じるまでの完成度を伝えることが出来るアーティストにまで仕上がるのは、難しいかもしれませんね。
Commented by スミレ。 at 2010-02-26 07:00 x
旧武家屋敷の片鱗を見せていたベルギー大使館も建て直しちゃったし、昔の建築美が消えて行くのが寂しいですね。新しい美もあるとは思うけれど・・・・
Commented by minori at 2010-02-26 09:30 x
*tomoさん、このポスト、自分が書いたのかと思ってしまいましたヨ。
私も、フランス大使館内部が見れる、ということで、イベントスタート前から楽しみにしていたのですが、「美術館・博物館 展示情報」コミュで実際に行った人のレポートを読んでウンザリしてしまい、行くのをやめてしまいました(笑)
なので、建築的視点からのレポートが読めてありがたいです!
常日頃、アートイベント・展示を草の根支援している自分としては、このイベントが入場待ちが出るくらい大盛況だったことは喜ばしいですが。。。
最上のアートは何よりも大好きですが、そうでないアートは何よりもキライです(笑)
Commented by kazztomo at 2010-02-26 09:51
>プルちゃん

生きて行くのに必要とされるかどうか…がひとつの境界線なのかな。

例えば音楽は、この曲なかったら生きて行けないかもって思えるものが
いっぱいあるし、もちろん音楽以外でも、本物の芸術なら、
それは「生活に余裕がある人の趣味」ではなく、
生きるか死ぬかの瀬戸際の人にとっても必要なものだもんね。
Commented by kazztomo at 2010-02-26 10:00
>スミレ。さん

解体前のベルギー大使館、ざっと検索してみたけど、
残念ながら写真は見れませんでした。
日本は地震の国だから仕方ないんでしょうが、残念です。
Commented by kazztomo at 2010-02-26 10:33
>minoriさん

あははw
建築的視点のレポートが少し役立って良かったです(笑)
解体されるには惜しい駆体の一部や建具がてんこ盛りでした!

minoriさんの最後の一行…本文中にはビビって書けませんでしたがw、
早い話そういうことですw

うちの母の台詞ですが…
陶器は名作なら飾って楽しむことも出来、実用も出来る。
駄作でもまぁ食べ物や飲み物を入れて使えなくもないけど、
愚作の芸術は煮ても焼いても食えない(笑)。
※記事本文とは関係ありませんw
Commented by たへ at 2010-02-27 01:04 x
美しい建物が無くなるのは悲しい事ですが、
理解の無い扱いを受けるのはもっと悲しいですね。
ドアだけでも持って帰りたいわぁ。
Commented by yuki at 2010-02-27 09:03 x
お久しぶりです。
父も先日、ここに行った様で同じような事を言ってました。
父の場合、保存が仕事のひとつなので、、、、色々と頑張ってます。
好きにしていいよ、といわれた時に背景(歴史とかも含めて)を考えて自分の創造とどんぴしゃりになったら、やるだろうけど、、好きにやってみるというのは、好き勝手にやるというのとは違うような気がするな。
Commented by kazztomo at 2010-02-27 11:03
>たへさん

日本は地震の国で仕方がないんでしょうが、
丁寧な仕事で造られた旧い建築は、
現代同じことをやろうとすると凄いコストがかかる、
もしくは不可能なことばかりで…。
この間、病院の待合室に置いてあった70年代初頭の本で
「門と塀」というマニアックなのがあったのですが、
一般住宅でありながら、どのお宅も凝っていてため息が出ました。
ああ、そういや自分が小さい頃はどの家もこうだったなぁって。
現代はサッシメーカーのつるしの門しか見ないもんなぁ…。
Commented by kazztomo at 2010-02-27 18:20
>yukiさん

お久しぶりです。
お父様のお仕事柄、ご覧になられてとても複雑な気持ちになられたことでしょうね。
保存のお仕事、がんばって下さい!!!
そういう選択肢があることもあまり考えず、
どんどん壊して行く世の中ですので…もっとそういう考えが広まって欲しいですね。

Commented by トロペ at 2010-03-01 10:37 x
はじめまして。素敵なブログだなぁ~と思って、以前からちょくちょく拝見させて戴いている シトロエン乗りの者です。
(最近「お客様のプジョー車が12カ月点検を迎えます」という案内状が届きショックを受けております)

ノーマンズランド、私も行って参りました。
リバースプロジェクトなんかもあって、楽しみながら考えさせてもらうこともできました。
Commented by kazztomo at 2010-03-01 20:20
>トロペさん

初めまして!
早速ブログにお邪魔しました。C3 プルリエルにお乗りなのですね。
私のXmの前オーナーさんもプルリエルとの二台体制でした。

リバースプロジェクト、私も拝見しました。
考えてみたら、我が家の防音スタジオの壁面に貼られた、
吸音用の木も廃材利用です。予算もなく、自分たちで切って貼ったんでした(笑)
http://kazztomo.exblog.jp/i11/
Commented by 2へぇ at 2010-03-28 22:13 x
いまさらながらこちらにも...
私も中島崇さんの作品の成長具合(107号室のペーパープラント)を見に3回行きました。黒い花が咲いたところまでは見たのですが、最終日に行けなかったのでどんな風になったのか見届けられなかったのが残念。
でも旧徳川伯爵邸の面影を残す庭を望む大使公室319号室に入れたのと、ノアールの大使公用車「外2701」のC6が見れたのが小さな幸せです。

cafeのところのキーロック式鉄格子ドアが物々しくて、治外法権が存在していたんだなぁ...と。ナゼか、ちょこっと映画「キリング・フィールド」を思い出してしまいました。
そうそう、各部屋のコンセントが日本用の二又とEU用の三つ叉が無造作に入り乱れて設置されてるのが笑えました。
Commented by *tomo at 2010-03-29 00:43 x
>2へぇさん

ちゃんと成長具合まで観に行かれてたんですね!
今、ご本人のHPで成長具合の記録のVを拝見しながら書いています。
私のように展示物はベルトコンベア式に観ちゃったのと、
腰を据えて3回もご覧になったのでは、味わいもまるで変わったことでしょう。

鉄格子、物々しかったですね。
あれには、無条件に治外法権にまつわるドラマを想像してしまいますよね。

Commented at 2013-04-10 07:10 x
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